人とか機械とか

デジタルガジェットやコンピュータについてのブログです。

僕の世界、夢と祈りと不安でできてる。


注:震災後の間もない頃の混乱で精神的に不安定なときに書いた記事です。そこのところよろしくお願いします・・。


この世界は典型的なRPG、ロールプレイングゲームのような世界観で説明できます。
怪物と戦う英雄がいて、怪物に対して脆弱な市民がいて、市民は英雄を頼るしかない。
市民の視点からするとマリーのアトリエのストーリーみたいな感じです。

光と闇、秩序と混沌、
そして剣と魔法の入り交じる世界があった。

伝説的な英雄と世紀末的な怪物が激しくぶつかり合う世界…

今まさに、世界の攻防は彼ら、
選ばれた者たちの手に委ねられようとしていた。

だが、そんな英雄物語は彼らに任せておけばよいのだ。
世界の大半の人間には、英雄も怪物も関係ない。
自分たちにできることをやり、今日を平和に生きることができれば、
皆それで満足なのだから…


ミッションクリティカルな仕事に従事している方はだいたい「英雄」です。マスコミ、医者、発電所、宇宙開発、軍事、政治家、警察官、消防士など。あと僕はまだ下っ端なので、仕事でお金の計算をしたことがないので、営業の人も英雄に見えます。僕が倒せる怪物は、バグくらいです。


基本的な概念

  • この世界は、いろんな神とか悪魔とかがいます。あと怪物が居ます。
  • 怪物は市民や英雄を襲ってきます。
  • 英雄は、いろいろな怪物と戦っています。

 神様や悪魔の機嫌を取ったり、他の英雄と仲良くやったりdisったりしています。別の英雄がまた別の英雄を「怪物」として戦ったりもします。市民は、それらの影響を受けます。

  • 英雄は凡人には務まらないので待遇が良いです。

 例えばマスコミなんかは高給です。日本の自衛隊員なんかも給料を貰いながら防衛学校に通うことができます。ちなみに、今回の震災でも自衛隊員には遺体運搬手当てなんかが出るそうです。逆に言うと、凡人とは格別の待遇だからこそ英雄になれる、とも言えます。

  • 英雄とはいえ怪物を退治できない場合もあります

 たとえば、ここ2週間ほどTVで流れた緊急地震速報が当たる確率は体感で30%くらいだったと思います。たぶん、気象庁のレベルはまだ35くらいなので、地震ウナギという怪物には勝てないみたいです。

  • 英雄に何をされても、それでも市民は英雄に頼るしかありません。

 市民には怪物と戦う力がありません。ドラクエで例えるなら、英雄に家に土足で入られてタンスをあさられて薬草を取られても文句は言えません。
 最近の出来事で例えるなら、報道戦士が被災地の子供にマイクを向けて「今どんな気持ちですか?悲しいですか?ねぇ?」とかインタビューしてきても仕方ありません。 英雄ですから逆らえません。「おもしろい画」がなくても、「今 訴えたいこと」を多くの人に伝えるには報道戦士に頼るしかありません。
何度も不祥事を起こしても警察がなくならないのも、公園で酔っ払って裸になったり、市民を殴ったりしてもTVへ戻ってこれるのも、どんなに赤字になってもNECが倒産しないのも。
たとえ暴君であっても、英雄である限り世界には必要なのです。


さまざまな英雄たち

  • 営業

 僕は営業さんの持ってきた仕事をこなすことしかできません。なんか、まだトークとか下手ですし。世間話とか。営業さんが仕事持ってこないと、仕事が無くて、お給料がもらえません。だから営業さんは英雄です。

  • ミュージシャン

 何も無いところから、なんか凄そうな気持ちを湧き起こす能力を持つ英雄です。なんかすごいです。僕には耳コピしかできませんで挫折しました。

  • コンピュータ

 人間では無いですが、英雄です。市民に「英雄ゴッコ」をさせてくれる英雄です。でも、だんだん「ゴッコ」ってレベルじゃなくなりつつありますが、それでもまだ、英雄にはなれないと思います。

  • 裁判官や政治家

 自分の判断で多少の人間が死んでも気にしない能力が必要です。そんなの僕には無理です。だから彼らは英雄です。

  • 報道戦士

 「現実」という怪物を恣意的なプロセスを経て、物語を作ってわかりやすい映像や音声で解説してくれる英雄です。市民は、この世界のわけの分からない事件とかが辛すぎて見ていられません。不安です。なのでソフトにわかりやすい物語に解釈してくれることが必要です。それで市民は、現実に大勝利したような錯覚を得ることが出来ます。そういった能力で、多くの市民に幸せを与えてくれる英雄です。それで別の一部の市民が傷ついたりもしますが、英雄の責務は「より多くの市民の生命を守る」ことにあり、正しい行為なのです。
 世界には、どうしても勝てない現実という怪物がいます。知らないほうが良かったこともあります。そういうものをどうにかしてくれる報道戦士が必要なのです。ただ、「この現実とだけはどうしても自分の力で戦いたい」というのであれば、コンピュータを使ったりして戦うという選択もできます。市民の戦闘力には限度があります。現代は、市民が現実という怪物と直接戦うか、英雄に戦ってもらうか選択できる時代なのです。


  • 電力錬成士

 「電気を安い値段で安全に供給します」という安全神話という夢を見させてくれる英雄と、悪魔と契約した魔法使いとで構成されています。長らく夢を見させてもらいましたが、ちょっと怪物ウナギが寝返りをうち、封印されていた悪魔の屁が漏れたりして、市民たちは夢から醒めてしまいました。日本はおろか、世界中の市民が夢から醒めてしまいました。
その夢を前提に暮らしていた市民は、急に寝耳に水に起こされてしまったので、ちょっと大変なことになっています。でも、魔法使いたちも経験値を積んで、悪魔をより確実に閉じ込める新しい結界を研究したりしているらしいです。
ちなみに、「CO2が悪であり、CO2を減らすことこそが正義である」という物語は、電力錬成士の悪魔との契約を市民に納得させるために創りだした物語だったのでしょうか?世界規模の。



こぼれ話


 その昔ナムコが作ったファミコンゲームに、スターラスターというシューティングゲームがあります。

 ステージが進んでいくとけっこう難易度が高くなっていきます。悪の軍団にあえて重要性の低い惑星を侵略させ、そこに出来た時間に、重要な惑星を救ったりする戦略が必要になったりします。悲しいけどそういう判断も必要です。大局的に見れば、人類が絶滅するよりはマシです。
でも犠牲にされる惑星はたまったもんじゃないです。断固反対します。死にたくないもん。

だから英雄は、強制力でその市民を封殺するしかないのです。
お金渡したり、情報統制したり、イメージ作りしたりして。なるべく波風立たない感じで。

英雄にも限界があります。すべての市民を救えないとき、そうするしかないじゃないですか。



報道戦士について


 報道戦士「マスコミ」という英雄をやたら敵視する市民がいます。一部のネットユーザや、wikileaksとか。仮にその英雄を討伐して、イニシアティブを取ったとしましょう。では、いまの報道戦士よりも平和な世界にできるのですか? 「現実」という怪物に勝利する幻想をこれからも見させてくれるのですか?それが出来ないのであれば、どうか討伐しないで下さい。怪物は怖いですもん。彼らは「その後のビジョン」も無しに報道戦士を討伐することの意味を理解しているのでしょうか?甚だ疑問です。
報道戦士にがんばってもわらないと、市民は現実という怪物に食べられてしまいます。市民はそんな英雄に頼るほかないんです。英雄討伐隊の方々は、新たな英雄となる覚悟がおありですか?

 電力使いが「ミンナニハ ナイショダヨ」と言ったのかどうか解らないですが、報道戦士にお金出してるそうです。なので、報道戦士は電力使いに文句を言わないそうです。でもNHKという報道戦士は市民からお金貰ってるので、文句言えるらしいです。ですが政府という上級英雄がまた、いるので、色いろあるらしいです。英雄同士の関係も複雑です。お金儲かってないけどがんばってる、コンピュータを使った「英雄ゴッコ市民」だけが、客観的意見を述べることが出来るようです。
お金は神様なので「絶対」です。それは英雄も市民も同じです。現代社会にとって物理法則に等しいほどのものです。太刀打ちできません。お金の神様をなだめるには、自分でお金を用意するか、誰かにお金を貰うしかありません。自分でお金を用意するのがボランティアです。



電力錬成士について


 魔法使いの結界から漏れてきた悪魔の屁が市民を襲ってきたので、市民が不安になっています。英雄にはしっかりしてもらいたいです。でも魔法の5重の結界40年も経ってるので、悪魔の屁が漏れてきても仕方ないのかも知れません。

先述の通り、英雄にはお金がかかりますし限度もあります。もっと英雄にお金をあげないと、もっと強い結界は作れないでしょう。勇者長老ヨサノも言ってました。でも撤回しました。悪魔を制御する魔法の結界がお金で買えるだけありがたいです。それも英雄のおかげです。



あとがき


人によっては皮肉っぽく聞こえるかもしれないですが、皮肉ではないです。


自分の経験と感情と論理の整合がとれた答えです。
マジレスです。


社会の中で自分の精神を安定させる過程で作られた概念です。


自分で作った宗教です。
これが僕のセカイです。


 ゲームの枠に当てはめましたが、この話はファンタジーでもなんでもないです。現実です。

 他人事のように書いている印象を持たれてしまうかも知れませんが、違います。僕は大局的な視点と個人的な視点 を使い分けているだけであって、この記事は、大局的な視点で書いたまでです。それに、冷静な状態だから書けるのであって、慌ててるときにこの文章みたらすごい怒ると思います。自分を。正直、文章を書いていて怖いです。でも僕は無宗教なので世界を自分の言葉で説明できないのも怖いです。凶悪な事件の背景と原因をオタクに押し付けないと安心できない人のように。

 怖いという問題を持つのは、人類みんな一緒です。都市に住んでもジャングルに住んでも一緒です。ただその解決手段が人それぞれで、ものすごく多種多様なだけです。だから確執や戦争が起きるんです。

物理的にはuni verseかもしれませんが、人類的にはmulti verseです。



人間には「世界を説明する物語」や「恐怖を解決する英雄」のようなものが必要なんです。ドラッカーのマネジメントでの「顧客の設定」みたいな話。
物語が見せてくれる夢を見て、英雄に祈るしかないんです。
世界の多くの人にとってそれは「宗教」であり、「神」です。
宗教でなくとも、政党や独裁者だったりする地域もあります。


人類全員をたった一つの物語に集約できれば、戦争は無くなるかも知れません。




ああ、怪物が襲ってくる! 英雄が襲ってくるかもしれません。
でも僕は英雄に祈るしかないんです。


英雄だけが、世界の行く末を決定するのですから。
ゲーム機やソーシャルメディアの見せてくれる「英雄ゴッコ」では、世界は救えないのです。


I play for game.
I pray for hero.