人とか機械とか

デジタルガジェットやコンピュータについてのブログです。

NHK技研公開2012


いってきました。先週。

http://www.nhk.or.jp/strl/open2012/index.html

放送の明日が分かる “麻倉的”NHK技研公開の展示ベスト5(前編) (1/2)
http://plusd.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1205/25/news069.html

放送通信連携


番組を、テレビ画面とタブレット(スマホ)画面の両方を使って放送する感じです。たとえばサッカー番組なんかだと、テレビには普通のサッカー中継映像で、タブレットには選手の俯瞰図(位置関係)がゲームみたいにリアルタイムに出るとか。リアルタイムはすげー。クイズ番組だと、クイズ回答に参加して得点競うとか。

スマホにテレビのリモコンアプリを入れて、それを使うことで、「いつ、どのチャンネルを見ていたか」がわかるので、それによって嗜好情報を蓄積してリコメンドしたりするとか。いまのインターネットブラウザがCookieでやっているのと同じこと。また、STBを経由することにより地上波がCMに入るタイミングでIP放送から嗜好に合わせたCMを持ってきて流すとか。「嗜好情報」のソースは既存のSNSとかウェブサービスと連動する予定もある?とかなんとか。ウェブの世界だとすでに当然なことですが、それをテレビ放送と融合させていく感じですね。

通信と放送が融合とか連携していくわけだから、「通信側」と「放送側」の両方のエンジニアリングが必要になるわけです。つまり、ウェブプログラマやウェブデザイナ、ニコ生やUstの放送経験なんかが、こういった通信と放送の連携したコンテンツを制作するときに役に立つと思う。いわゆる「つぶしの効く」技術になるわけです。司会者にも、リアルタイムに流れてくるコメントやツイートに対し適切にスルー/反応するスキルが重要になります。毎晩0時からやっているnews web 24なんか見てるとわかります。



スーパーハイビジョン

スーパーハイビジョンの展示は至るところにありました。
まずシアターのプロジェクター。種子島の最後のロケット打ち上げの様子。あの大画面であの解像感が得られ、しかも打ち上がった後の音の定位がすごかった。ちゃんと「上の方」から聞こえてくる。

次に、渋谷?から4kmくらいUHF電波で飛んできた映像を映しているところ。SLの発車するシーンとか月面の様子とか映ってたのですが、プロジェクターよりも際だって解像感が強調されていた。スーパーハイビジョン(SHV)は8Kであり、つまり7680x4320ドット。僕の一眼レフEOS Kiss x4が1800万画素で5202x3465なので、すでに解像度が足りてません。オモチャのようなもの。泣いた。近づいても高精細。

いま東芝の民生用4Kテレビが電気屋に置いてありますが実売70万円ほどします・・。これが10万円になるころようやく4Kが普及帯になると言えるので、それよりまだ先の話ですね。2020年頃にはSHV放送を始められる予定くらいとのこと。

一眼レフの話をすると、たとえば月を撮影するときなんかは遠くまでズームできるレンズのほうが有利なわけですが、ズームできなくても光学センサーの解像度が高ければ月の部分を高解像度で撮影することができるわけです。「トリムしても高解像度」という使い方ができるわけですね。それと同じ事が8Kの世界でも活用されていて、たとえば8Kで広角で撮影したフィギュアスケートの映像の足元2K(FullHD)に切り出して放送してたそうです。撮影するときにカメラの首を振らなくて済むというメリットもあります。とにかく広角で情報量を多く撮っておけば、あとで編集でなんとかなるという、解像度の高さを利用したゴリ押しな撮影技術が使えるようになるわけです。



人にやさしい放送技術


http://www.nhk.or.jp/strl/open2012/html/tenji/007.html
http://www.nhk.or.jp/strl/open2012/html/tenji/005.html
これ知らなかったんだけど感動した。地デジには字幕機能が必ずついていて、表示/非表示できるのだが録画放送であればあらかじめ制作したものを流すだけなんだけど、生放送の場合どうしているかというとオペレータがリアルタイムで字幕を付けるそうです。
まず音声認識で認識された文字がどんどん出てくるタッチパネルディスプレイを見てて、その変換ミスをタッチして人力ですぐ直す。あと放送音声にノイズが多い場合は、読み上げなおすオペレータがいるらしい。つまり放送→読み上げオペレータ→音声認識→文字→文字校正オペレータ→放送字幕という流れになる。けっこう苦労してるんだなあと感心した。



そのほか


B1Fは駐車場?ぽいところにデカい機材がいろいろ置いてある感じだった。
ふつうにニコンのFXマウントのレンズを使えるようにしたSHVカメラとか。
22chスピーカアレイの中に入ってデモ音声聴いたり。
h264の次世代コーデックのHEVCっていうのが規格策定中らしい。
放送や通信に興味が無い人でも、SFみたいなモノが見られて楽しめたと思う。