USTREAMスタジオの開設について
http://www.softbank.co.jp/ja/news/press/2010/20100328_01/index.html
stickamとかニコ生とかustreamとか、個人がネット上に生放送するのは増えた。なので、気軽に借りられる放送スタジオが有ればいいと思う。
まあ、家でできる人は家でやるし、そうじゃなくてもネットカフェでやる人もいる。じゃあわざわざスタジオまで行く意義は何か?それなりの放送機材が備わっているとか、音を出しても大丈夫とか、そういうメリットがあればまだ分かるけど、汐留スタジオの利用ガイドラインを見ると、場所と回線と時間を提供する。機材は持ち込み。という条件らしい。しかも大音量はダメらしい。その条件を聞くと、メリットは「スタジオ自体への一時的な注目」なのかなあと思う。なんか社員食堂の一角らしいし、そんなもんかも。たぶん初めのうちは予約殺到でいつまでも取れないだろう。
インターネット放送におけるポイントを列挙するとこんな感じか。ソフトバンクのUstreamスタジオには、放送機材と著作権の部分が不足していると言える。
- 放送技術(PC操作、企画、演出、脚本など)
- 放送機材(PC、A/V機器、照明など)
- 場所と防音、閉鎖空間なのか開放空間なのか。
- インターネット回線
- 生放送サービスを運営するウェブサイト
- 著作権
カラオケスタジオ
気になるのはカラオケ(シダックス)のほうである。あれはカラオケの歌唱を放送可能なんだろうか?ちょっとググってみると、Ustreamは本体アメリカなのでJASRACとの包括契約はしてないらしいのでアウトっぽい。歌唱は無理で、恐らくカラオケボックスを「場所」として使うだけなのだろう。いずれは包括契約して可能にするのかも知れない。
インターネット放送じゃなくても、アマチュアのミュージシャンが録音するのにカラオケボックス使ったりもするし、カラオケ店側もそういうのを了解していて、カラオケ使わないで場所使うだけなら安くするという店もある。
なんか最近のカラオケ機種は進んでいるらしい。
カラオケ『JOYSOUND』の新モデル「CROSSO」発売
http://www.xing.co.jp/news/2009/10/01-110000.html
「うたスキ動画」の機能を使ってWEBにアップロードした歌唱動画を、別のユーザーがカラオケルームで再生しながら一緒に歌うことのできるバーチャルデュエット機能。更に、コラボした動画をWEBにアップロードすることも可能。
ニコニコ的なやり方を想像してみる。
たぶんソフトバンクのUstreamスタジオは、既存の、既に放送できる設備を持っているユーザーに訴求力があると思う。つまり、これによって放送人口が増えるわけではないと思う。
パソコンを持っていないケータイ主体のユーザーなんかは、静止画、動画、録音、テキストのアップロードは可能だが、生放送だけは不可能だと思う。生放送をできるケータイやスマートフォンを知らない。
というわけでこんなサービスどうよ。
- 場所としてカラオケボックスを利用し、音を出してもOK。
- カラオケ屋なので必然的にインターネット回線は備わっている。
- ニコニコ生放送を利用、JASRAC管理曲はOK
- 放送機材としてPCを貸し出すとか、むしろROBRO-TVのようにニコ生の放送に対応したハードウェアを作ってしまうのもアリだと思う。
ユーザーは普通のカラオケのように時間制で部屋を借りるだけ。それで、店舗側の用意した機材でニコ生へ放送できる。カラオケだから大声出してもOK。ユーザーは「放送技術」だけに集中することができる。これによってインターネット放送の敷居は下がると思う。イマ風に言えば「クラウドスタジオ」とでも言ったところか。
さらに、カラオケを歌うプランと歌わないプランに分かれるんじゃないかと思う。現実的には。カラオケ歌うプランなら、多少料金上乗せになるが、なんか歌ってる様子も生放送できるようになる。
また、自前のニコニコ動画のプレミアム会員アカウントを持っているなら、それを利用することも可能にしてもいいと思う。自分のコミュニティ人数を育てるという意味合いで。もともとニコ生は「枠」を設けることで、限られた時間で面白いことをパーッとして終わる。という思想でできているので、それがカラオケルームを時間制で借りるという性質にもマッチしている。
問題点
*ニコ生の放送枠をどう確保するか
- カラオケ店舗が通常のプレミアム会員契約をいくつか確保しておき、フロントで部屋を取る時点でニコ生の放送枠の予約をしてそれを利用者に貸す。
- カラオケ店舗毎にチャンネルを用意する。チャンネル開設コストってどのくらいなのかわからないけど。
- また、不正利用があった際にも面倒なことになる。あくまでニコ生と契約しているのはカラオケ店舗側のアカウントなので、不正利用(BAN放送)された場合の責任の所在がそのアカウントへ問われることになるのだろうか。でもカラオケって会員カード作るときに個人情報(住所とか)を書かされるので、なんかその、ニコ生側にそういった免責できる規約を作ってもらうとかでもいいかも。
*オケの著作権
- カラオケのオケはカラオケ会社が耳コピして作っているので、権利はカラオケ会社が持ってたと思う。たしか。その辺の権利処理をしないとカラオケは放送できない。協力してくれるカラオケ会社が必要になる。
- 1つのカラオケ店舗で、複数のカラオケ機種を備えているところも多い。このため、店舗内でもカラオケ機種によって生放送が可能なものと不可能なものに分かれることになる。
*出会い系
- 場所がカラオケなので自宅ではない。このため、即オフ会を開くことの敷居も低くなり、オフ厨・出会い厨の温床になりかねない。このため、利用は(少なくとも代表者は)18歳以上に限定されたりするかも知れない。というか現状のニコ生自体、18歳以上限定にしたほうがいいんじゃないかという気もする。
ニコニコ動画の親はAvexだからカラオケ業界へのコネはあるだろうし、ROBRO-TVにニコニコ実況が対応する(してる?)という前例もあるのでありえる話。
その昔、TVはとても高価だった。だから街頭に置いてあるTVに人々が集まってプロレス放送とか見てた。そんな感じで。
などと こじつけてみた。
追記
ニコ生で、利用した楽曲のJASRAC IDを入力する欄がある。あれを真面目に入力している人はまず居ないとは思うけど、どこかで聞いたんだけど(ウロ覚えだけど)あれをちゃんと入力すると、権利者にお金が入るらしい。アフィリエイトブログで広告をクリックしてあげるような感覚だろうか。ニコニコがJASRACに払っている包括契約料がいくらなのかよくわからないけど、その一部分が権利者(つまりアーティストや事務所)へ支払われるという形になる。カラオケと連動すればそのJASRACのIDもクエリできると思うので、そこへ自動入力できるんじゃないだろうか。そうすると、多少は権利者の人に金銭が還元できるのかも知れない。
カラオケにはJASRAC管理じゃない曲も入ってるので、そこは注意しないとだめ。例えば、コナミ関係の楽曲はだいたいコナミ自身が著作権管理している。JASRACのデータベースを見ると「無信託」になってる。でも、その権利者が「いいよ!」と言いさえすれば、問題ないんだけど。
JASRACの話ばかりしたけど、JASRAC以外の楽曲著作権管理システムとの連携もアリだと思う。クリエイティブコモンズとか。VOCALOID界隈(クリプトン社)は「クリエーターへの還元」をテーマにいろいろ試行錯誤してるようなので、その辺とも何か協力できるかもしれない。
料金明細はこんなような区別になるだろうか。
・部屋料金
・カラオケ料金
・機材貸与料金 <- 持ち込み可能
・ニコニコ生放送料金 <- アカウント持ち込み可能
・JASRAC管理曲の放送料金
あと、著作曲を歌う以外にも、ふつうのスタジオとしてでも使えるのだから、その方向への可能性もある。たとえばアマチュアバンドの自作曲の路上ライブのような感覚で、インターネットラ
イブを開くとか。部屋は、背景の壁紙や照明設備とか、スタジオに特化させてもいい。
サーバー上の枠取り戦争は、カラオケ店舗内の部屋取り戦争へと進化する。
追記2
なんかアキバにはんだづけカフェができるらしい。ustream放送も可能。
http://handazukecafe.com/
追記3
ニコ生配信できる公式iPhoneアプリ PCとの配信切り替え機能も
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1005/10/news062.html
http://live.nicovideo.jp/iphone/