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IntelチップセットのUSBの実装がいつの間にか変わってた件

 Intel 5 Series Chipsetは、Core iシリーズの第一世代CPUに対応したチップセット。IbexPeak。メモリコントローラはCPU側になったため、チップセットがワンチップ化した。ここから、USBの構造にも変化があったことを知った。
http://www.intel.com/p/ja_JP/support/highlights/chpsts/5series-chpsts



近年のチップセットはノースブリッジとサウスブリッジの2チップで構成され、
サウス側にEHCIを2〜3個(それぞれRootPortが4〜6くらい)、UHCIを4〜8個(ぞれぞれRootPortが2個)程度搭載する構成になっている。



ところがこのIntel5シリーズからは、EHCIを2つだけ搭載していて、それぞれのRootPortは1つで、USB 2.0 Hub (SingleTT, SelfPowered)を内蔵する構造になっていた。(Intel 6シリーズも同じ)




それをインテルは「レートマッチングハブ」と呼称している模様。
http://www.intel.com/jp/products/desktop/chipsets/h55/h55-overview.htm





つまり事実上、UHCIを搭載しないチップセットである。
実際、Windowsのデバイスマネージャからもそのように見える。




UHCIが無くなったということは、アドレス空間に見せるレジスタが減ったことを意味する。また、UHCIドライバもロードされないため、少しメモリの節約になる(まあそのぶんハブドライバがロードされるけど)。外部のUSB2.0ハブがつながっているのと同じなので、レジスタ操作でなくUSBリクエストでハブを制御することになる。
ただ、UHCIひとつで12Mbpsのバスインスタンスを持っているのが8個もあったのが、Single TT Hubにまとめられてしまったため「FS/LSの帯域」としては減少した。しかも2.0Hubなので、FS/LS接続をする場合にはHSの帯域の中から12Mbpsぶん削られることになる。このため、FSのPeriodicデバイス(Interrupt転送とIsochronous転送)を使った「意地悪なスループット計測テスト」をすると、昔のチップセットよりもスループットが落ちているはずである。とはいえ、メリットも加味してそれほど問題ないと判断したのだろう。

それに、バッファローから貴重なMulti TT Hubが販売されているので、それを使えばいい。こだわっているFPSゲーマーや、DTMやる人なんかは価値があるかも知れない。FPS向けマウスやDTM機器には、USB1.1 FullSpeedでたくさん帯域を使うデバイスがあるので、あながち無駄でもない。かも。もっとこだわるのであれば、UHCI/EHCIPCI接続のUSBポートを買えばいいかも。



TT(Transaction Translator)とは何か?


 バッファローのホームページをご覧下さい。
 http://buffalo-kokuyo.jp/products/peripheral/usbhub/bus-self/bsh7a02/index.html

 川に例えると、ハブのHost側のHighSpeed接続が大きな川で、そこに穴掘って細いFullSpeedやLowSpeedの川をつくってデバイス側のポートになってるような感じです。
SingleTTというのは、大きい川から1本しか細い川が作れません。細い1本の川に、8隻の船が航行することになります。狭いので通りづらいです。
MultiTTというのは、大きい川から細い8本の川を作ることができます。細い川それぞれに1隻の船が航行することになります。広いので通りやすいです。もちろん、そのぶん大きい川からたくさんの水を取ります。