信頼できるv6プラス情報まとめ
v6プラスに関する情報、技術的に不正確なブログ記事があまりに多すぎて頭が痛くなるのですが、ここだけ見てたほうがよさそうです。
私のことが信じられなくても、このサイトは信じてください。というかGoogleはPageRankを操作して、v6プラスを検索したときこのサイトをトップに持ってきたほうが混乱が少ないと思う。
そのサイトにもリンクが貼ってある「徹底解説 v6プラス」のpdfが無料公開されていますが、これが技術解説の教科書のような存在のようです。物理書籍は有料のようです。
その著者である小川晃通(あきみち)さんが動画投稿や記事を書いている。
v6プラスに関する正確な情報はあきみちさんを見てればよさそう。
v6プラスの概要
- サービスは無料なところが多い。
- v6プラス契約状態でもルータの設定で従来の接続(IPv4 PPPoE)に戻せる。
- 従来の接続(IPv4 PPPoE)で速度が遅くなっている問題が緩和されるかも知れない。
- IPv4グローバルアドレスを他の利用者と共有することになり、ポートが利用者毎に割り振られる。(割り振られたポート番号はルータの設定画面や確認サイトで調べられるらしい)このため待ち受けるポート(Listen port)が固定で変更できないようなサービスだと使えなくなってしまう。例えばIPsec VPN。自宅サーバーやゲームなんかも影響あるかも知れない、UPnP問題など。
- IPv4グローバルアドレスを他の利用者と共有するため、IPアドレスでアクセス禁止をするようなウェブサイトがある場合、とばっちりを受けるリスクはある。2ちゃんねる(5ちゃんねる)ではIP規制があったりするんでしたっけ?
そもそもの背景
インターネット遅すぎ問題。光回線のくせに。特に混雑時間帯。 原因はIPv4がPPPoE接続で混んでるかららしいです。 むしろ混雑時間帯はモバイル回線(3G, 4G LTE, WiMAXなど)のほうが速いこともままあるし、ひどいときは実際その手段を使う。ギガが減りますが。
だからそこをどうにかして回避するための、技術的に入り組んでいて申し訳ないが、それでも速くしたいからv6プラスになった。
そもそもPPPは、太古のインターネットのダイアルアップ接続(音声のアナログ電話をかけて接続する14.4kbps~ 56kbps程度の回線)に設計されたものなので、それを100Mbps overのデジタル光回線の時代にまで引きずっているのも無理があろうと思われます。
まとめると:
- 多くの人の利用が集中する固定回線のふつうのインターネットはIPv4 over PPPoEで、そのPPPoEの装置が混雑してインターネットが遅くなる。
- IPv6は基本的にIPoEなので、PPPoEみたいに遅くならない。
- 理想的にはインターネットがすべてIPv6で動けばよいのだが、未だにwebサイト等のサービス各種はIPv4がほとんどである。なのでIPv6とIPv4の両方でインターネット接続している。
- IPv4アドレスはすでに枯渇していて貴重な資源になっているため節約して使わざるを得なくなっている。
これら問題を解決する方法が、IPv4 over IPv6 over IPoE という手段なわけです。家庭内ルータとISP(VNE)の中にあるBorderRelay装置との間で、MAP-EやDS-lite方式でIPv6の中にIPv4パケットを出し入れするわけです。ですが結局は変換装置を使っているので、そのVNEのキャパシティが溢れれば重くなるそうです。逆に言えばPPPoEから人が抜けて空いた状態のPPPoEに残ってる人は快適になります。要は負荷分散ですね。今後のIPv4接続はPPPoEとBorderRelayとで負荷分散してどこかでバランス取れて釣り合うのではないでしょうか。電車の混雑緩和のピークシフトのような。ISPやVNE的にはBorderRelayとPPPoEどちらがコスト安いのか分からないですが、安いほうに多く人が流れるように仕向けるでしょう。やや玄人な方はグローバルIPv4アドレス共有を嫌いそうなのでPPPoEを好みそうな気がします。
信頼できそうな参考情報
JPNE
ISP各社
野良ブログ
自宅サーバーを頑張る記事 bike8615.blogspot.com
スラッシュドット
https://srad.jp/story/20/06/17/0032220/
https://srad.jp/submission/86313/
https://it.srad.jp/story/18/06/06/0646224/
https://it.srad.jp/story/13/04/22/089255/
v6プラスって2013年からあったんですね、知らなかった。MAP-EやDS-lite対応ルータの整備が前述のPPPoE遅すぎ問題の増加と呼応して増えてきたため需要と認知が増えて来た、という流れなのでしょうね。YouTubeやNetflixといった回線負荷が高いサービスの利用者が増えたこともあるでしょう。
詳細
v6プラスは一般家庭向けサービスはIPv4アドレスを他ユーザーと共有するが、その背景の技術的には固定IPにもできる。しかしそのサービスを提供する業者は限られている模様。そもそもIPv4アドレス枯渇してますから、あまり大衆向けにサービス展開するのは無理がありそうです。
「グローバルIPv4アドレスの他ユーザーとの共有」は、たしかCATV系インターネット接続サービスでも過去にあったように思う。それはそれでLAN内に他ユーザーが見えてしまってファイル共有が通ってしまって問題になったことがあったような昔話が記憶にある・・・別問題ですが。
v6プラスはJPNEがIPv4アドレスを管理することになるようですが、プロバイダ責任制限法でJPNEが開示請求された場合はどうなるのだろうか?そのIPv4アドレスを割り振っていたユーザーが複数いることになるが、それらすべての情報が開示されてしまう?(あまり詳しくないのでよくわからない) と思ったら「徹底解説v6プラス」72pに書いてありました。2015年の法改正で、開示対象の発信者情報にIPアドレスだけでなくポート番号も追加されたそうです。そこまで特定できるようですね。
DynamicDNSで、v6プラスで割り当てられたのグローバルIPv4アドレスにドメインネームを割り振るのはマズそうです。IPv4アドレスを共有する他人のポートをインターネット側から叩けてしまうため。これは加害者にも被害者にもなり得ます。家庭内ルータの設定で、余計なポートマップをしなければ問題ないとは思いますが。
スラドやブログなど読んでいると、ISPによっては問答無用で勝手にv6プラス化する場合もある様子。場合によってはサービスが使えなくなるものもあるのに問答無用でやるのはマズイのではないだろうか・・・。
というか、自宅サーバーはIPv6で公開すれば良いのでは?MAP-EによるIPv4のポート制約も受けないし。自分のマシンなのだからがんばってIPv6化すればよいのでは・・。
v6プラス以外の同様なサービス
JPNEのv6プラスはMAP-Eですが、そうでなく自前のDS-liteによってv6プラスと同等のサービスを独自提供しているISPもあるようです。IIJ,ASAHIネットなど。
v6プラスのライバルのような立場? transix, DS-liteサービス。
ISPとVNEの関係が詳しくまとまっている記事がありました:
www.kahemicafe.com 複雑ですねー