人とか機械とか

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テレビとニコニコ

一般的ではない二次創作が主役であるうちはニコニコ動画の一般化は難しい
http://d.hatena.ne.jp/usuiou/20090516/1242438428

TVも芸能人依存ネタ、つまり芸能人を一次の元ネタとして製作された番組という二次創作物も結構あるように感じる。(モザイクをかけて)「某有名女優のお宅に潜入!さぁ、誰でしょうかねー。」とか、なにそれ楽しいの?そういうのは元ネタである芸能人がどういう人なのかを知らないと面白くない。芸能人というのは入れ替わりが激しいので、それに付いていかなければならない。だから、「二次創作コンテンツ」=元ネタを勉強する努力が必要、という点では同じだと思う。
ただTVメディアは芸能人の元ネタと2次ネタの両方を提供しているところが強みなので、TVを毎日見ていることが習慣の人にはたやすく自然と努力なく元ネタも収集できているのであるから、問題はないのだろう。そういった流れで長時間視聴を成立させているのだろうかTVは。「見ていないとついていけない」という。空気的な何か。

でも、自分はTVを半端にしか見てない*1。なのでそのTVエコシステムには適合しておらず、TVの芸能人はよく分からないのでそれをネタとした二次創作ネタは分からない事のほうが多い。人気俳優が出演の大型ドラマ!とか言われてもピンと来ない(誰それ)。お笑い芸人のネタの中には、他のお笑い芸人をネタにしたものもあるが、知らないと面白くない。ニコニコ3大勢力のひとつである東方もよく知らないが、ボカロは好きで一次情報を集めているので二次情報もそれなりに楽しい。ぶっちゃけ、二次創作を見せられて、じゃあその元ネタを勉強する努力をしようかっていう気が起きないと思う。めんどくさいから。それはTVもニコニコ動画も同じだと思う。ただ、一般的な観点からしてみれば、一般的な知名度の高い一次情報を擁しているTVに軍配が上がる。

一次情報にはどんなものがあるか?と言うと、実在する人物(スポーツ、芸能タレント、政治など)、著作物、学問、歴史、などそりゃもう色々あるけど、一番大きいネタはやはり「人物」じゃないかと思う。人物は著作物(映画やドラマや音楽)と関連付けられもするし、結婚や離婚のワイドショーネタが好きな一定の視聴者層がある。しかし「人物」を知っているなら、そのまま携帯ナンバーポータビリティのように移行できるはずで、例えば羞恥心の上地ナントカのblogのアクセス数はそれなりに多かったりする(?)という事なんかで証明されていると思う。それに「人物」サイド(コンテンツホルダー)や視聴者からして見ればメディアは手段でしかない。一次情報のメディアはポータブルなのである*2。しかし、二次情報の優位性はニコニコ動画のほうが軍配が上がる。

つまりニコニコ動画は、TVの大物芸能人をヘッドハンティングして持ってくれば一次情報が強化され、TVのエコシステムが回り始めるのではないかと思う。単純に、要はカネである。さらに、もともと強みである二次コンテンツと相互作用をして強固なものとなる。

外部に元ネタを頼っている状態から脱却すればニコニコ動画の文化圏は自立し、より強固になると思うのだ。

結局、概ね同意の結論に達しました。


しかし、ニコニコ動画は黒字化をしなければならないという壁があるので、大物を呼ぶだけのお金は使えないのかも知れない。でも芸能人の値段も下がってたり、高すぎるから使えなかったり、っていう話もあったりするし、問題は複雑。


追記:

一般に訴求力のある一次ネタと二次ネタを持っているのがTVで、サイト外部のニッチな一次ネタを元にした二次ネタ(=誰得)が多いのがニコニコ動画、という現状。GIRL NEXT DOORのキャンペーンとか、ELTのキャンペーンなど、一般的な一次ネタ投入は時々やっているのだが期待してた二次作品がぜんぜん少なかったりして難航しているほうが多いと思う。その理由は、元記事のブログコメントにあったように「創作意欲のない一般人に来てほしくない」というように、メディアのユーザーには大別して2つあるから。

一つはアップロード(コメントや動画投稿)をしコミュニケーションの習慣のある層で、主にネットに慣れているデジタルネイティブ*3であり、それは同時にディープなアニメとかニッチでロングテールな趣味を持っている。もう一つはダウンロードオンリー層であり、これはTVに慣れている層で音楽や芸能など一般的な趣味を持っていると思う。
つまり、前者には一般的な一次ネタに興味を持ってもらう事と、後者にはアップロードをする習慣をつけてもらう事とが課題なのかと思う。ソースは忘れたが、ニコニコ動画の視聴に対するコメント率というのは2割くらいらしい。
最近あまり見ないからよく知らないが、ケータイ向けSNSサイトを見てた時、その前者と後者とをベストミックスしたようなユーザー層が多いような印象があった。毎日コマメに日記を書き、コメント欄で不特定多数と雑談をし、普通の音楽趣味を持ち、でも初音ミクの曲も好き。みたいな。未成年に多いような気もする。ニコニコ動画は、ケータイからも動画のアップロードを可能にしたりコメントをやりやすくしても良いと思うが、ケータイはあまり強化された話を聞かない。むしろavex+docomoがBeeTVというのを始めたし・・。

(ちなみに自分は、TVもネットも中途半端な飽きっぽい層で、どちらにも楽しい部分もあるし分からないつまらない部分もあります。ぶっちゃけどっちでもいいので、TVみながらnicort立ち上げて楽しんでたりもする。)


さらに追記:
 http://blog.nicovideo.jp/niconews/2009/05/003055.html
 「一般化」に攻めの姿勢のようです。

*1:「このあと驚きの結末が!→CM」みたいな流れはめんどくさいので結末を見ずにチャンネルを変えたりする。

*2:と、言っても長年のコネとか色々あって単純じゃないだろうけど。

*3:もちろん、雑誌の読者投稿や同人誌、インディーズ音楽など他にもメディアはある